「いらっしゃいませ〜!
すみません、ただいま込み合ってまして、相席でもよろしいですか?」
「お、おぅ。飯食えるならなんでもいいぜ?」
「ありがとうございます。すみませんお客様、こちら相席よろしいですか?」
「あ、あぁ。席がもったいねぇもんな。座らしてやんな」
「ありがとうございますっ!」
「へへっ、いいって事よ。ほら、こっち座んな」
「ありがてぇ。じゃあ俺ぁ牛丼大盛りと湯(タン)を頼む。こっちにも俺持ちで湯を出してやってくれ」
「お、すまねぇな。ありがたくいただくぜ」
「はいっ。牛丼大盛りと湯を二椀ですね。すぐにお持ちしますので少々お待ちください」
どうも、劉封です。
現在看板娘として絶賛猫被り中…じゃなくて以前の状態に戻ってる傾さんを視界の隅に入れながら収集してきた情報整理の真っ最中です……厨房の中からですけど。
突然ですがあの後の説明をさせていただきましょう。
俺も殆ど人伝に集めた情報なので細かく何がどうなった〜とかは分からないんですけど。
まず、傾さんはこっちの思惑どおり死んだ事になりました。
まぁ丁原にしてみれば遺体があろうがなかろうが、目の前から居なくなってしまえば死んだも同然って事だろうからどうでもいいんだろうけど。
で、今は丁原と張譲達十常侍の間で権力争いの真っ最中みたい。
天水を出る前に皆で話し合った時、丁原は張譲達が傾さんを亡き者にする為に利用しているって見解で一致したから、これに関しては丁原が粘ってるって感じかな。
あの時最後に残していった言葉からかなりの権力欲だとは思ってたけど……やっぱりどれだけ新しい情報を集めても文字の上では分からない事ってあるもんですね。
これからはもっと各諸侯の人となりについても詳しく集めてみよう。
性格ってのはその人の行動を読む上でやっぱり重要な要素だろうし。
っと、話が脱線しかけた。
え〜っと、現在丁原が頑張って傾さんの後釜に座ろうと十常侍と争ってるみたいなんですけど……多分そう長くは持たないでしょう。
なぜなら、暴走して傾さんを助けようと動いた袁紹がすぐそこまで来てるから。
劉屋に身を隠して働き始めた頃にはもうとっくに動いてたので、むしろまだ着いてないのかって話なんですけど……なんでも“華麗に進軍中”らしいので。
……いや、知りませんよ“華麗”の意味なんか。
でもまぁ表立って行軍してるわけではなく粛々と…ではないけどまぁ大人しく…もないか。
いやまぁでも敵意みたいなものはとりあえず感じさせずに向かってるみたいなので、一応そんな事したら朝敵にされるかも〜くらいの事は理解してるみたいです。
……もしくは誰かが必死で抑えてるか。
なんだろう?
むしろそっちの方が可能性が高いって理解が出来る所為か、見たこともないその抑え役の人に凄い同情心のようなものがふつふつと沸いてくるのを感じる。
まだ見ぬそのお人、頑張れ。超頑張れ。
でもしかしまぁ、そんなに悠長に袁紹の抑え役を応援してもいられなくなってきてるんですよねぇ。
というのもどうやら十常侍側が月様に上洛を命じたみたいでして。
稟からの定期連絡みたいな竹管にただ一言、“再会が楽しみです”と書いてあったんで、ほぼ間違いないかと。
これまで結びの言葉として“再会が待ち遠しい”って書いていた稟が“楽しみ”って使ったって事はもうこれ、確定事項だからですもんね。
とりあえず袁紹の動向とかも含めた現状を記した竹管をもって半蔵に飛んでもらったんで、誤魔化しのきく範囲でゆっくり来てくれるとは思うんですけど……でも多分稟と詠殿も袁紹の阿呆さ加減に関しては読みきれないと思うんですよねぇ。
一応これまでにないほどにアレだって事は書いといたんですけど、こればっかりは……ねぇ?
俺も傾さんに事前に聞いていたのにそれでも高く見積もりすぎてしまって現状を招いた訳ですし……
「そろそろ限界、かな?」
一応これまでは灯台下暗しと思って洛陽内の劉屋に潜んで情報収集をかねてたんですけど、そろそろ動いたほうが良さそうです。
月様達がこっちに向かってる事ですし、途中で合流できればまたすぐに戻ってこれますから。
とにかく袁紹が読めないんですよ。
だからすぐそこまで来てるって情報からここに到着するまでどれくらいかかるかがまったく分からない。
これまでのろのろ来てたままの速度で計算しちゃって、実はものすごい勢いで到着しちゃいました〜みたいな事になっちゃったらさすがに目も当てられません。
なにせ傾さんの話では袁紹本人が傾さんの顔を大分しっかり覚えてそうな印象でしたからね。
まぁこの印象自体もまったく役に立たない可能性もあるんですけど、そんな不確定要素にすがった結果街中でばったり、なんて事だけは絶対に避けたいですからね。
石橋は叩いてから渡るか渡らないかを判断するに限ります。
というわけで……
「傾さん」
「は〜い。なんですか、
さん?」
……慣れないなぁ、傾さんのこの感じ。
でもまぁ伝えるべき事は伝えないと……ね。
「そろそろなんで、ちょっと準備に入ります。後、よろしくお願いしますね」
「……わかった。余も動けるようにしておくゆえ……気をつけて、の?」
「了解しました」
という訳で最後の城内偵察に行ってきます。
「……なるほど、そういう事かい」
話を全部聞き終わったおば様は、卓の向かいに座ってる小さな女の子、董卓様にそう言って苦笑い。
突然だけどども〜、たんぽぽだよ。
隣に座ってるお姉さまは口をあんぐりあけたまま固まってる。
そりゃそうもなるよね。
たんぽぽだって聞いた時は吃驚通り越して引きつった笑いしか出てこなかったもん。
「お師匠さまってば全然天水にいないと思ったらそんな事してたんだね」
「ったく
の奴、言ってる事とやってる事が全然一致しないじゃないか。生き残る事最優先とか言っといてそんな危険な事やってるなんて」
「つくづく面白い男だよ、アイツは。で、十常侍から上洛命令が来たってのにお前さん達がそこまで落ち着いてそれを伝えに来たって事は、何進殿は生きてんだね?」
にやっと笑いながら目の前の小さな女の子じゃなくてその隣の、同じくらいの背の小さな女の子、賈駆に聞くと、そっちもにやっと笑い返して、
「とーぜん。アイツが自分でやるっていって果たせなかった仕事なんか一つもないわよ」
ってすっごい得意げ。
董卓様も嬉しそうに笑ってるし、お師匠さまはやっぱり凄い人なんだ。
「ま、そうだろうな。なんにせよ生きてて何よりだ。あの人はあんまり頭は良くないし最近のやり口には正直納得いかないところが多かったが、根は悪い人じゃない。ってか権力争いだなんだの渦中に飲み込まれただけの普通の肉屋の看板娘なんだよ。やって良い事と悪い事ってのはあるからその点は大いに反省なり後悔なりしてもらいたい所だが、殺されちまうのは行き過ぎだしな」
「馬騰様、もしかして何進様をご存知でいらっしゃるのですか?」
「あぁ、まぁね。直接的なつながりはあまりないがアタシも古株だし、何進殿が大将軍になる前から知ってるよ。看板娘からの大抜擢に戸惑いながらも張り切ってた頃から、な」
そう言ってちょっと遠い目をしてるおば様。
なんか色々あったのかな?
「で、それはともかくだ。董卓ちゃんが直々に洛陽に呼ばれて主力は皆着いていく事になった。で……」
「はい。最初は誰か立てて馬騰様に後見人になっていただくお願いにあがるつもりだったのですが……それは甘えだと思い直しました」
董卓様はそう言って、おば様の目をまっすぐ見据えて言いました。
「馬騰様、どうか私達が去った後の天水を治めていただけませんでしょうか」
「っ!?
ゆっ――っっっ」
え?
どういうこと?
たんぽぽてっきり董卓様は最初言ってたみたいに、中央にいってる間天水を任せる人の面倒をみてほしいから来たんだと思ってたんだけど。
っていうかなんで隣の賈駆も驚いてるの?
おば様も驚いたみたいで少し眼を見開いて、
「……ちょっと待ちな董卓ちゃん。あたしに天水を“治めろ”って言ったかい?」
急にこれまでとは全然違う、低い真剣な声で問いただすみたいに董卓様を睨みつけた。
あまりの迫力に言った董卓様本人がびっくりして、
「え、えと……はい」
なんてちょっと自信なさげになっちゃってるくらい……なんか可愛いなぁこの人。
でもすぐにまた真面目な表情に戻った董卓様は、落ち着いた様子で話し始めた。
「先ほど簡単に説明させていただいたとおり、これから私達は上洛します。そしてこれはかなり高い確率で中央政治に関わらざるを得なくなるという事です。それならばいっそ、何進様の暗殺を企てたあの十常侍の人達から然るべく人に政をしてもらえるように頑張ってみようと思ってます」
「……あぁ。今の十常侍共は天子様を蔑ろにして中央の政を自分達の思うがままにしているからな」
漢の忠臣代表みたいなおば様でもさすがにおかしいと思ってるみたいで、董卓様の言葉にちょっと口を濁しながらだけど同意した。
多分、正直に全部話そうとしてくれてる董卓様相手だからなんだろうなぁ。
「はい。で、そうするって決めたからには私、自分に逃げ道を残したくないんです」
「逃げ道?
天水の事か?」
ここで初めてお姉さま発言。
さっきまで頭から煙出してたけど、逃げ道を残したくないって董卓様の言葉に反応したみたい。
我がお姉さまながら、ちょっと残念だなぁ。
「はい。天水は故郷ですし、これまで一度も離れたことのない愛着ある土地です。そこで今太守をやらせて貰ってる事がもう夢のような事だと思ってましたけど……でも、時の大将軍様を亡き者にして権力を握ろうとする人達を相手にするのに、私に帰れる場所と地位があったら……逃げてしまいそうで」
そう言って董卓様は少し悔しそうに表情を歪めた。
「もちろん、そうしたところで上手くいく保障はありません。私程度ではもうどうにもならないのかも知れない。けど……私、昔皆に言ったんです。戦う事は嫌だけど、必要な戦いから逃げたりしないって。そしてそれを信じてくれてる人が今、一人で私の我侭に応えようと頑張ってくれてます。だからっ」
「……だからそれに報いる為に自分の逃げ場を無くして前に進もうって?」
「……はい」
おば様は董卓様の返事を聞くと腕を組んで目を瞑って“ふむ”って……あ、これやばいんじゃ――
「この馬鹿娘がっ!!!!」
「へぅっ!?」
「ひぃっ!?」
「か、母様っ!?」
――やっぱりぃぃぃっ!?
おば様が目ぇ瞑って腕組んでる時って大体呆れてる時なんだよねぇ。
たんぽぽは気が付いたから耳塞ぐの間に合ったけど、他の皆は……うん、駄目みたい。
特に真正面の董卓様は本当にまともに受けちゃったみたいで頭がフラフラしちゃってる。
「はぁぁぁ…………おい、董卓ちゃんよ?」
「は、はい」
「お前、
の何を見てんだい」
あーあ、おば様はおば様でそんな事お構いなしでお説教に入っちゃってるよ。
と思ったら……
「たんぽぽ、お前でも分かるだろ?
この嬢ちゃんが何を間違えてるのかくらい」
「え?
な、なんでここでたんぽぽ?」
たんぽぽにお鉢が回ってきちゃった。
普段こういう場所じゃ絶対に発言しないのが決まりなのに……
「賈駆も驚いてたところをみると董卓ちゃんの今の話は知らなかったみたいだし、なんでそれが間違ってるのかも分かってるだろうけどな。でも賈駆が董卓ちゃんに教えるよりも、お前が言ってやったほうが応えるだろうからね」
おば様がそう言ってニヤって笑う。
賈駆は……ぐ、ぐぅみたいな顔してる。
「それじゃあま、封神流槍術今んトコ唯一の弟子のたんぽぽが、不肖の身ながら董卓様がいかにお師匠様の事を分かってないかをお話させていただきましょー」
まぁさすがのたんぽぽもこれはちょっと一言言いたかったし、おば様ありがとーって事で言わせてもらうよ。
「あのね董卓様、董卓様はもう最初っから間違っちゃってる。そんな事したってお師匠様は全然喜ばないし、むしろお師匠様が何の為に頑張ってるのかホントに分かってるのかって感じだよ」
「……どういう事ですか?」
あれ?
ホントに分かってないの?
「……ねぇおば様? お師匠様、ウチで貰おうよ?
お師匠様あんなに頑張ってるのに可哀想だよ」
「う〜ん……そりゃこっちは大歓迎なんだが……そこのちっこい軍師様がこっち睨むからあんまり挑発するな」
ちぇ〜。でもまぁ確かに、賈駆は分かってるっぽいから見込みなしってわけでもないんだよね?
「あのさ董卓様、お師匠様はさ、いつでもどんな時でも絶対に生きて帰るって思って戦ってるんだよ?
たとえ卑怯者って言われようと、生きてなきゃ護りたい人を護れないって。だから絶対に死ねないんだって。それなのに、そんなお師匠様が主だって認めた董卓様が、自分が護らなきゃいけない人達をまるで足枷みたいに言うなんて……それじゃあお師匠様が可哀想だよ」
「わっ私はそんな足枷なんて……」
「言ったよ。帰るところがあると逃げてしまいそうって。それってつまり帰るところがあるって事が董卓様の決心を鈍らせてるって事だよね?」
「そっ……それは……」
「それにお師匠様は絶対に“帰る”って言ってるんだよ?
そんなお師匠様が帰る場所を主である董卓様がそんな風に言っちゃ駄目だよ」
たんぽぽがそう言ったら董卓様、今気が付いたみたいに吃驚した顔してた。
でも……たぶん気が付いたみたい。
表情から素直に“なんて事しちゃったんだろう”みたいな後悔がよくわかるし。
じゃ、これでたんぽぽの役目は終わりでいいかな……って思ってたんだけど、
「あのさ、董卓様」
今までじっと黙ってたお姉さまが頭ぐしぐし掻きながら口を開いた。
「あたし馬鹿だから良くわかってないのかも知れないけどさ、
が“帰る”って言ってるのはたぶん場所じゃないって事くらいわかるぜ? 董卓様だって
がそういう人間だって分かってたからそんな事思いついたんだろうし。けどさ、だからってその場所には何の意味もありませんって事にはならないよな? 董卓様さ、
が認めた人なんだからさ……そんな簡単に、目的の為に何かを切り捨てるみたいな決断、するなよ」
…………………………え?
い、今の……ホントにお姉さま?
「なんつーか……必死だってのはわかる。あたしもそうやってすぐ周りが見えなくなって無茶苦茶やっちまうし。でもさ、あたしみたいな馬鹿だって、自分が本当にどうしたらいいのかわからなくなったりした時はどうすればいいか知ってるぜ?
董卓様、アンタわかるか?」
お姉さまがそう言うと董卓様は、まるで誰かに謝ってるみたいに俯いたまま、か細い声で答えた。
「……相談、すればよかったんですよね?
霞さん、葉さん、稟さんと……詠ちゃん。私には、私よりずっと頭が良くて頼りになる仲間がいるのに……」
なんでそうしなかったんだろうって、多分董卓様もそう思ってるんだよね?
まぁそういう所はたんぽぽにも分からなくはないけどね。
いい事思いついたと思ったらやりたくなるし、それが切羽詰った状況だったら“やらなきゃ!”ってなっちゃってもしょうがない気はするよ。
「ごめんね、詠ちゃん。私……」
「……いいのよ月。確かに聞いてなかった話をされた時は驚いたけど、月の性格ならそう考えてもおかしくはないのにそこに思い至らなかったボクにも責任はあるわ」
「そっ、そんな事――」
「それが軍師よ、月。今回は……ボクが甘かった。稟には月の性格的な部分までは見抜けないかもしれないけど、そこに気づかないといけなかったのはボク。これまでずっと稟とそうやって役割を分担してきたっていうのに……でもっ!
ボク達にはここでこうやって後悔してる時間はないわ。この失敗はまだ取り返しがつく。そうですよね、馬騰様?」
賈駆がそう言うと、おば様はにやって笑った。
「あ〜そうだ失敗したなぁ。最初の話を一度受けてからこの話をしてたら、一度契約を破棄する事を条件に
貰えたかもしれないなぁ」
……おば様……いくらなんでも棒読みすぎるよ。
でもまぁ……それくらいじゃないと董卓様ってば自分から言い出しそうにないかなぁ。
「…………馬寿成様、改めてお願い申し上げます」
とか思ってたらやっぱり董卓様……って立ち上がって頭を下げた!?
「先程までの私の愚かな言動を願わくばお忘れいただいた上で……私共の留守中天水にご助力を頂けませんでしょうか?」
「……はぁ……まったく、アタシも随分お人好しになったもんだ。言っとくがこれぁ貸しだよ。それにアタシはあくまでも後見人だ。政務だなんだめんどくさい事押し付けられても、そんなん自分トコだけで一杯一杯だ。その辺理解してんなら……まぁ、しょうがねぇからなんかあったら護ってやるよ」
「あ……ありがとうございますっ!
馬騰様っ!」
……おぉ〜……あんまり丁寧に礼を尽くされておば様がテレてる。
董卓様、最後の最後でいいトコみせた感じかな?
元々おば様は領地を広げるつもりもないから侵略になんか興味はないし、お師匠様を気に入ってたから普通に頼めば多分よっぽどのことがない限り簡単に協力したと思うんだけどね。
今回は董卓様が暴走して危うく領民の人達ないがしろにするところだったって事で、ちゃんと一回筋を通させたって感じなのかな?
でもまぁ……
「よし、じゃあそういう事だ。翠、蒲公英。天水が有事の際はお前達が中心になってもらうからそのつもりでいろよ?」
「応っ!」
「まっかせてよっ!」
いよいよたんぽぽもお師匠様の役に立てるんだよね?
じゃあ無事に達成したら褒めてもらわないといけないし、ここはついでにもう一本釘刺しとこう。
「まぁこっちの事はたんぽぽ達に任せてよ?
その代わり……お師匠様に何かあったら、絶対許さないからね?」
で、そんなこんなの後お互い信頼の証として真名を交換したんだけど……
「ったく……元々話聞いた時にすぐ受けるつもりだった話なんだ。アタシ等はたんぽぽの弟子入りの件で
に借りがあったからな。それを変にこじらせやがって……そんなこっちゃ中央で何もできねぇぞ?」
「……へぅ……はい。肝に銘じておきます」
「さっきも言ったが
に借りた分は董卓ちゃんの阿呆な暴走聞き流してチャラだ。後見の件はこっちがアンタ達に貸しって事にするからな?
いずれしっかり返してもらうぜ、賈駆よ?」
「分かってるわ。勉強料だと思えば安かったくらいだし……でも
は渡さないからねっ!?」
「はっ!
そいつぁアイツの気持ちの問題だ。アンタ等がまた今回みたいな事やらかして愛想つかせた日にゃ、アイツの嫁さん達含めて正々堂々引き抜くから覚悟しときな」
「そりゃいいなっ!」
「うんうんっ!」
「ちなみにそんときゃお前らのどっちかアイツの嫁になってもらうからな?
後継者アイツにしたいし」
「「「…………………………は?」」」
「は〜いはいはいっ!
たんぽぽがなるよっ!」
なんかちょっと、月様またやらかしちゃえって気になっちゃうよね?
……ちょっとだけだよ?
「ふっ……ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!????」
「だっ、駄目ですよぅそんなの〜…………へぅぅぅ」
にひひっ♪