狩り×楽勝×不合格!?
























さぁて、始まりましたハンティングタイム!
個人的に友達になった人達は、合格よりも無事を優先して欲しいと思ってます、 です。
先をスパーさんに譲って出てきてみたんだけど、もうなんかちょっとキャンプ気分。
皆警戒しながら走っていったりゆっくりだったり……あ、ポンズだ。
ポンズのターゲットの103番って、さっきのターバン巻いた人だったっけ?
どっちいったか教えようかなぁ…………やっぱやめた。
一人で頑張ってみるって言ってたんだから、僕が口出しちゃ駄目だよね。
見た感じあの人あんまり強そうじゃなかったし、普通に戦えばちゃんと勝てるでしょ。
ポンズ、頑張れっ!
なぁ〜んて心の中で応援してる僕が何してるかって言うと……お、来た来た。それじゃ、

「キルアー……っとぉ!」

「うわっ!? ってなんだ かよ。いきなり飛び出してくるから思わず攻撃しちゃったじゃん」

「……なんか普通に社会生活をおくる面でかなり問題ありそうな台詞だね」

ったく本気で蹴ってきたし。怖い怖い。

「普通に社会生活なんて、どうおくったらいいかわかんねぇよ。俺まだ子供だし、家は一家揃って暗殺者だからな」

……ほう。暗殺者と。

「じゃあ僕が依頼したら友達割引とかしてくれる?」

とりあえずこの試験中に友達殺されたら……依頼も考えないとね。
それにしても暗殺者か……一家で暗殺者っていったら真っ先に思い浮かぶのはあの人達だけど……

「……お前、変わってるなぁ……ゴンもだったけど、普通ひくだろ? 暗殺者の息子なんて」

「いや、そんな事いわれても……それなら僕、親がそもそもどういった人間かすらわかんないし」

「……はぁ?」

あ、そうか。あの時キルアとゴンはいなかったっけ。

「僕はりゅ…スラムの出。親は早くに死んだし、そもそも殺し殺されは日常茶飯事の中で生きてきたんだから、暗殺者なんてそれの強いバージョンってだけでしょ? そりゃまぁ、喜んで殺しする人は嫌いだけど、生きる為にしょうがないとか、暗殺を仕事としてる人達には特にマイナスな感情は湧いてこないよ。そういう裏の商売は、ないと世の中が回らないからね」

そう。マイナスな感情が湧くとしたら、殺しを楽しんでる奴ら。
シャル、マチ……お前らそんな奴じゃなかったのに…………

「ふぅ〜ん、そっか。ねぇ、親がいないって、どんな感じ?」

……っと。お? キルアってば結構聞きにくい事聞いてくるねぇ。

「わかんない。昔は生きるのに必死だったし、今は別にいなくてもいいって思ってるから」

「そうか〜。いや俺さ、稼業継ぎたくないんだよね。だからハンターになったら親父達捕まえてやろうかって思ってるんだ。何せ写真だけでも数億で取引されるらしいし」

……げ。やっぱり? 写真だけで数億なんて暗殺一家、僕一つしか知らないし……

「キルアのお母さんってさ、キキョウさんっていわない?」

「っ!?」

「……おじいちゃんはゼノさん?」

「っ!? お、お前なんでじいちゃん知ってんだ!?」

……やっぱりゾルディックか。
あ〜……言われてみるとなんとなく分からないでもないなぁ。

「一度仕事で会ってね〜。あ〜なるほどなるほど。キルアの考えはちょっとゼノさん似かな? あの人仕事以外で殺しはしたくないって言ってたし」

「……お前じいちゃんと仕事で会ったって……どんな仕事してたんだよ?」

「ん〜、護衛」

「商売敵じゃん!? じゃあなに!? ってじいちゃんと戦って生きてるのっ!?」

「ん〜まぁ。実際は途中で戦う意味がなくなっちゃってね。僕が仲間とゼノさん足止めしてる間に他の護衛の人達がキルアのママさんにやられちゃって」

まぁあの時は結果的に助かったよ。
僕等に依頼人の傍の護衛がまわってきてたら、多分どっちか死んでただろうし……多分僕が。
それにしても、そうか。キキョウさんの息子かぁ……美人さんだったしなぁ……あんま似てない。会った事ないけどパパさん似かな?

「そんなに凄そうにはみえねぇけどなぁ」

「失礼な」

そんな無駄話をしながら僕等は森の中に足を進めていく。
あぁ……早く仕掛けてこないかなぁ、後ろの人。
一人だから僕等のターゲットじゃないんだろうけど、見られてるのはちょっと邪魔。



















最初にコイツ見た時に思ったのは、ハンター試験に彼女連れでくるアホ。
まぁ結局その彼女だと思ってたポンズは実はそうじゃなかったんだけど。
それからも、湿原でヒソカに襲われてるクラピカと、えっと……リオレオ、だっけ? を助けにゴンと逆走したり、いつの間にかスシ作って2次試験合格してたり、3次試験クリアしたと思ったらポンズの膝枕で寝てたり(ちょっと羨ましかった)……
とにかくゴン並みにワケわかんない奴って感じだったんだけど……

「キルアのお母さんってさ、キキョウさんっていわない?」

そう聞かれた時俺、体が から離れようとするのを必死に押し留めてた。
しかもコイツ、じいちゃんまで知ってるし。
さすがにおかしいって思ったらやっぱり……コイツ、おふくろとじいちゃんに会ってやがった。
しかもじいちゃんとは戦ってたっていうし……あれか? おふくろがカルト産んで暫くして運動不足だってじいちゃんと仕事にいったあの時……っておいっ! あれ何年前だよ!?
が今年で21って事は……お、おいおい。アイツ俺達とたいして歳が変わらない時にじいちゃんと戦って生き延びたのか!?
ったく、なんなんだよコイツ……

「ん〜? どうしたの、キルア」

……見たところただの優しそうな兄さんなんだけどなぁ……

「さ、とりあえずいこう。気付いてるんでしょ? 後ろから誰かついて来てるの」

やっぱ も気付いてたか。
まぁ、じいちゃん相手に生き延びる奴がこんなザコい尾行に気付かないわけないか。
敵になったら正直勝てる気しねぇけど……わりぃなゴン。こりゃ楽勝だ。




















……………………………………………………………………………………………………で

「ねぇキルア」

「ん〜?」

「こう何日もつけ回されるとさ、ちょっと気分悪くない?」

「ど〜かん」

寝てるときは交代で見張りしてるけど、その時もずっとだしなぁ。
昔の商売と住んでた所の治安柄、そういう“ソッチ”系の人に狙われる事も結構多かったし、正直ちょっと気持ち悪い。
いや、なんていうか、視線が……

「いくら尾けまわしたってムダだぜ? オレ達はスキなんかみせないよ」

とか思ってたらキルア君、声かけてるし。

「なぁ 。もう仕掛けちゃおうぜ? どーせ一点だろうけどさぁ」

「たしかに、気持ち悪いしね」

暫く挑発してみたんだけど、全然出てくる様子無し。
う〜ん……二対一はイヤなのかなぁ?

「なんならキルア一人で相手してもいいってよ?」

「なっ!? おい ! 勝手に決めんなっ!」

「あれ? 自信ない?」

「んなわけあるかよこんなザコ! そうじゃなくてオレは が戦うのが見たいのっ!」

「え〜?」

僕、平和主義者なんだけどなぁ。っと?

「大丈夫みたいだよ、キルア。お仲間がついた」

「ん? あ、ホントだ」

見ると、顔がちょっと似てる帽子の二人が来てた。
で、僕等を尾けまわしてた一人も木の後ろから出てくる……って、この人達♪

「ラッキー♪ 僕のターゲットだ♪」

「あ。ってことはこいつら二人の内一人はオレのか。ねぇ 、どっち?」

「いや、僕もどれが自分のかはわかんない」

「ふ〜ん……でも」

そう、そうなんだよキルア。
3兄弟が全員揃ってるんだから……

「「全員からプレート貰えば(奪えば)どれかは僕(オレ)のって事か」」

さて。そうとわかればのんびりはしてらんない。
尾けまわされ続けて正直イライラしてたし……

「こ、こいつらヤバいっ! イモリッ! ウモリッ! フォーメーショおべらっ!!!!?」

はい、残念でした〜。
また来年頑張ってね〜♪




















って感じで結構楽に終った4次試験。
いらなくなった残りの一枚は、ハンゾウってスシの作り方バラした人が取りに来たからあげた。
すっごい感謝されて名刺貰っちゃったんだけど……忍者?
まぁともかく僕とキルア、ゴン、クラピカ、レオリオはクリアしたんだけど……

「あ、あはは〜…………落ちちゃった」

ポンズが、落ちちゃった。
スパーさんも、ターゲットが301番だったみたいで手を出せなかったみたい。

に言われてなきゃ、殺されてた。ありがとう」

そう言ってスパーさんは帰っていった。
ちょっと悔しそうだったけど、でもさっぱりしたって表情してたし、納得のいく結果だったみたい。

「で、ポンズはどうした…「すまんっ! ポンズ!!」…レオリオ?」

事情はこう。
ポンズは洞窟の中に入っていったターゲットを確認して、催眠ガスを使って眠らせて後を追ったみたい。
でも相手は蛇使いで、ポンズが入ったときには既に蛇達が罠として放たれて、ポンズは逆に閉じ込められちゃって。
プレートを探そうとして相手に近づいたら蛇に阻まれてそれは不可能。
しかもその時ポンズの身の危険を感じて蜂が出てきちゃって(ポンズは実は蜂使いだったみたい)、蜂に刺された相手はショック死。ポンズは本格的に閉じ込められちゃって。

「で、そこにオレがいったんだ。オレのターゲットが……ポンズだったんだよ」

で、レオリオが入ってきた事に気付いたポンズはレオリオを罠の手前で留めて、レオリオに自分のプレートを託したって事、らしい。

「だってさ。あのままじゃ時間内に出られるかどうか分からないし、それならレオリオに合格してもらったほうがいいでしょ? 知らない仲じゃないしね」

淡々と話してたポンズだけど、でも僕、レオリオに本当の事聞いたんだ。

『頑張って合格して、医者になって。私はまた来年、頑張るから』

ポンズがレオリオにプレートを託した時の言葉。
ホント、いい娘だ。ホント……




















で、本当なら落ちた受験者はスパーさん達みたくバスで帰るんだけど……

「え、えへへ〜……なんかね? 後学の為に最後まで見ていけって、会長さんが」

「ふぉっふぉっふぉっ♪ お前さんの友達じゃあ無碍に帰したりは出来んでな♪ ……それにこの嬢ちゃん結構強引じゃしの〜……

「何か仰いました?」

「い、いや、何も言っとらんよ?」

「?…………ま、いっか」

ってなワケで、最終試験には出ないけどポンズが最後まで同行する事になりました。
あ、でも……

「それならスパーさんはなんで帰したの? あの人も友達なのに」

「頼まれんかったからの。それにハーレムは許さんっ! 羨ましいっ!」

…………なんのこっちゃ?

「なぁんであの娘乗せたんですかっ、会長!? もっ! 私だけでいいでしょ!?」

「め、メンチ……」

……………………いや、なにが?










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